2007年07月26日

ペットブームに

ペット葬儀はペットブームに後追いするかのように増加しているが、急激な増加の背景にはそれなりの問題点も多く抱えている。人間の葬儀でも葬儀社が主体的になりすぎて、本来の主体である本人または施主の気持ちといったものを何処かに忘れてしまっているかのように淡々と進行して行く。進行の手順がいいのは悪いことではないが、形式ばかりで心がないことを感じる場合もある。ペットも同様にペット葬儀ということが一般的になるにつれて、ペット霊園産業が商業主義になりがちになってきているという批判の声もある。
ペット葬儀は、都市計画法上、施設の建設が可能であることが確認できれば、とくに許可を必要とせずに開業することができる。ペット葬祭業者が提供するサービスは、死亡したペットを飼い主から引き取り、ペット火葬・ペット葬儀などのセレモニーを行なうことだが、開業にあたって、まず具体的にどのようなサービスを提供するのかを明確にしておく必要がある。従業員教育の他、祭壇を設けるなどの葬儀会場設営を行なう、儀式面も荘厳なものとするなどのサービスも求められる。また、依頼者がペットの骨を拾えるように、一体ずつ個別にペット火葬する立会ペット火葬が基本となるが、小鳥などの小動物は個別には骨が拾えないため、年に1回合同のペット供養祭を行なうといったサービスも検討する必要がある。
犬や猫などペットの死体はこれまで、自宅の庭に埋めるか、自治体に『一般廃棄物』として引取りを依頼するケースが多かった。だが、都市部を中心にマンションでペットを飼う人が増えた結果、庭先に埋めるケースは減る傾向にある。ペットの地位も大きく変わった。ペット葬式やペット墓地や供養施設へのペット納骨をわざわざ専門業者に頼む人が増えているのは、ペットが『家族代わりだったり、家族の一員』になっている状況の反映だろう。とあるペットの葬儀の場では、供養するペットの名前を一匹ずつ読み上げると、会場からはすすり泣く声が漏れたという。『人間の法要で涙を流す人は少ないが、ペットの法要は本気で泣く人が多い』という話も聞く。『それだけペットに慰められ、癒されてきた人が多い証拠だろう』と推察される。
ペットの葬儀ビジネスというものは、実際には、軌道に乗り、採算がとれるまでに結構年月がかかるものだ。ペット霊園ビジネスでも永代ペット供養と言う言葉が使われるが、やはり、人間の場合とは違う。この永代は文字通りの永久ではないらしい。多くの愛犬家は新しい犬を飼う事によって、次第に前の犬のことは忘れ、数年で墓石を撤去するケースも多いと言う。ペットビジネスでありながら、ペット葬儀というものは、犬や猫の知識よりも「人」というものを深く研究しなければならない。こうした点で、決して万人向けのビジネスとは言い難いものなのだ。


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Posted by ノブ at 00:19 │ペット葬儀